現在、様々な業種においてフランチャイズチェーンが存在しています。自分でゼロからビジネスを始めるよりも、既にある経営ノウハウ・知名度を始めから提供してくれるフランチャイズビジネスは非常に魅力的に聞こえるかもしれません。

しかし、契約書の内容をちゃんと理解せずにそのまま勢いでサインをしてしまい、数年たっても赤字が続きもう辞めたい!となった時に多額の違約金を支払わなくてはいけないケースも多くあるのも事実です。絶対失敗しないために契約書の内容を把握することが如何に重要か、ご説明いたします。

1. フランチャイズ契約とは

フランチャイズ契約とは、本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)の間で長期間に権利義務関係を規定する契約の事を言います。一定地域内で、商標、サービス・マークなどの営業の対象となる標識及び経営のノウハウを提供し、そのビジネスを行う権利を加盟店に付与する代わりに、加盟金やロイヤリティをフランチャイザーへ支払う契約で、フランチャイズの代表的なものに我々の生活に欠かせないコンビニ等の業態があります。

近年、そのビジネスモデルは成長の一途をたどっていて、

脱サラをして新たにフランチャイズでビジネスを始める人が増加しています。

【フランチャイズに加盟しないで独立した場合の事業の生存率】
創業5年後の生存率・・・・15%(ちなみに10年後は4%にまで低下)
【フランチャイズに加盟して独立した場合の事業の生存率】
創業5年後の生存率・・・・65%

※65%と言う数字は、契約解除や解約に関して、各FC本部や関連団体が出しているデータを反映させた数字。

「15%」と「65%」では約4倍近く成功の差が出ていることになります。

事業生存率

つまり、独自の方法で独立するよりも、フランチャイズで独立した方が4倍も成功確率が高いのです。であれば、フランチャイズで独立した方がよいかな!と思いませんか?

しかし、ちょっと待ってください。フランチャイズに加盟した人の65%が5年後に生存しているということは、裏を返せば残りの35%は失敗しているということになりますよね。そうです、フランチャイズは成功しやすいとしても35%もの人が失敗するのです。

フランチャイズを含め、ビジネスにはリスクがつきものということですね。リスクがあるということを覚悟した上で、失敗しないためにも最低限知っておくべき法知識について事項でご紹介いたします。

2. 加盟希望者が知っておくべき法知識

この記事を読まれている方の中には、脱サラをして起業を考えていられる方もおられるでしょう。サラリーマンとして雇われて勤務をされている方は、特に自覚をしてないかも知れませんが、実は労働法に守られています。長時間の労働の禁止や残業した時の残業代の支給、有給休暇の制度、合理的な理由がなければ解雇されないなどという権利は、労働基準法という強行性のある法律で決められています。

フランチャイズで起業をするときことは、この労働法による強い保護の下を抜けて、「自らの身はすべて自ら守るしかない」という立場になることをまずは自覚する必要があります。現在、日本において、フランチャイズを包括的に規制する法律(フランチャイズ規制法)は存在しません。よって、原則的にフランチャイズの場合は「契約がすべて」ということを十分に踏まえておくことが大事です。

◆中小商売商業振興法に基づく情報開示

中小商売商業振興法では、同法の対象とする特定連鎖化事業(小売・飲食のフランチャイズチェーン)について、チェーン本部の事業の概要や契約の主な内容等についての情報を、チェーンに加盟しようとする方に対して契約締結前に書面で示し、説明することを義務付けています。

(出典:中小企業庁 http://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/download/huran.pdf

スライド3

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3.フランチャイズ契約前に知っておくべき契約条項の例と読み方

フランチャイズには包括的な規制法がなく、原則として「契約がすべて」という話は前述に述べました。とはいえ、加盟希望者は一つ一つの条項について本部と逐一交渉して契約内容を詰めるということはありません。本部がすでに用意している印刷されたやや厚めの契約書の後ろの方にある署名欄に署名するだけ!というのが実態に近いでしょう。契約条項の読み合わせはしていることが多いと思いますが、加盟社としては本部を信頼して契約するのですから、契約条項の一つ一つに疑問を持つこともなく、たとえ仮に疑問を持ったとしても、それがどういう意味かも分からないため質問することもないのではないでしょうか。

ここでは、実際の契約条項をかなり抽出化し、かつ簡略化した例を掲げながら、気をつけるべきポイントを述べます。コンビニフランチャイズの契約条項例を基本としながら、適宜別の業態のものも入れています。また、注意すべき事項を述べるためのものですので、網羅的条項にはなっていません。

例1:A条 免責条項

  • ◆加盟社は、本部から立地条件や損益予測に関する資料を提示され、かつ、中文な説明を受けた上で加盟者自身の判断で契約に及ぶものである。
  • ◆本部はいかなる利益保証もしていないし、売上高について保証もしていない。
  • ◆本部は加盟者に対する契約締結前の口頭での説明につき一切の責任を負わない。

本部が加盟者を積極的に勧誘しておきながら、契約書ではこのような条項があることが多いと言えます。そもそもこのような条項があることが問題であると思いますが、勧誘時に担当者より聞いた「良さそうな・儲かりそうな話」について、契約書に署名押印する前に一つ一つ確認してみることが肝要だと思われます。

例2:B条 営業時間

  • ◆加盟者は、24時間、年中無休営業を原則とする。営業時間の変更は、加盟者と本部の書面による同意なしには行えない。

営業時間や休業日の設定は、原則からすれば、個人営業主である加盟者が自由に決めて良いはずですが、「全国共通の統一イメージ」を理由としてこのような条項が置かれていることが多いと言えます。コンビニを例とすると、夜間の売り上げが不審なテンポであれば、かえって夜間は閉めた方が人件費・光熱費の節約になって損益の改善が見込めることもありますが、本部がなかなか同意しないケースがあります。

例3:C条 加盟金

  • ◆加盟者は、本部に対し、本契約締結時に開店前指導及び経営権付与の対価として加盟金400万円を支払う。
  • ◆加盟金は、いかなる理由があっても返金しない。

フランチャイズ本部の多くは、加盟金その他の様々な名目で契約時に一定額の支払いを加盟者に求めることが多いと言えます。しかし、一口に加盟金と言っても何の対価であるのかが明らかでない場合も多く、加盟者に落ち度がないような早期撤退事例の場合まで全く返還しないというのはかなり問題があると言えます。

例4:D条 仕入れ

  • ◆本部は、加盟者に対して商品の仕入先を推奨する。
  • ◆加盟者が推奨仕入先以外から商品を仕入れる場合には、本部の定める基準を守っており、かつチェーンイメージに反しないと本部が判断した商品でなければならない。

仕入先を制限することは独占禁止法条問題があるため、契約条項の体裁上は、あくまで原則として自由となっています。しかしながら、実際には推奨仕入先以外の商品を取り扱いたいと申請を出しても、本部が定める基準やチェーンイメージに反するなどとして自由な仕入れは難しいことがあります。

まとめ

如何だったでしょうか?契約書の内容を読むのは難しいと言われています。細かい事項を確認せずに安易に契約を結んでしまった結果大きな問題につながるという事例も多発しているのが現状です。しかし、フランチャイズ契約の締結はフランチャイズに加盟するにあたり最初にして最重要な法的な第一ステップです。一度締結をしてしまうと基本的にはその契約書に基づいて絶対的に拘束をされます。加盟店になろうと現在考えている方は、よくこの点について検討し安易な加盟契約をしないように気をつけましょう。

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