少子高齢化によって有料老人ホームなどの高齢者施設の需要は増加しており、今後もしばらく続くといわれています。

有料老人ホームは上手く経営することで、収益を上げやすいビジネスモデルとして注目を集めていますが、開業にあたってはそれなりの資金が必要です。

しかし、これから有料老人ホームを開業しようとしている人の中には、一体どれくらいの資金が必要なのかわからない人もいるでしょう。

そこで、今回は有料老人ホームの開業に必要な資金や費用について解説します。

老人ホームの開業にコストがかかる理由

有料老人ホームにおいて、毎月の家賃はとても大きな収入源です。

しかし、家賃を得るためには建物を取得しなければなりません。

有料老人ホームの開業にあたっては、建物の取得コストが大きくなるので多額の開業資金が必要となります。

また、老人ホームという性質上、高齢者に配慮したバリアフリーの設備は欠かせません。

スロープの設置や段差における手すりの数などによって、通常の賃貸住宅を建設するよりも高額になってしまうのです。

「建設費が高額になるなら、その分家賃に反映させればいい」と思うかもしれませんが、有料老人ホームの経営は公的な事業という性質上、利用者に直接反映させることは難しいといえます。

建設費の増大は経営に大きな影響を与えますので、利用者の気持ちを考慮しながら無駄なものは省いていくことが必要でしょう。

中規模な施設の開所に必要な資金はどれくらい?

物件取得費は、開業予定地の立地によって不動産価格が大きく異なるため一概にはいえません。

しかし、とある地方都市で開業した有料老人ホームでは、定員50人程度の施設でおよそ3億円の資金が必要になったケースがあります。

内訳を見てみると、物件取得費・施工費合計約2億円(それぞれ約1億円)、什器・備品約9000万円(什器約6000万円・備品約3000万円)となっており、その他広告宣伝費や営業活動に使う費用がおよそ1000万円です。

コストダウンを図るのに有効な方法は「居抜き物件」を活用することですが、老人ホームのような施設では大規模なリフォームや新しい什器が必要になるケースが多く高額になりがちです。

とはいえ、結果的に金額が少なくなるのはやはり「居抜き物件」の方なので、少しでも開業資金を少なくしたい人には有効な方法だといえます。

開業資金を抑えるためのコツ

居抜き物件を活用する以外にも、有料老人ホームの開業資金を少なくする方法はあります。

それは「補助金・助成金を活用」することです。

サービス付き高齢者向け住宅は国からのさまざまな補助金が支給される仕組みとなっており、使い方によっては大幅に建設コストを下げる効果が期待できます。

例えば「新築工事の場合、建設工事費の10分の1(1戸あたり上限100万円)を補助」や「診療所やデイサービスといった高齢者支援施設の併設・合築に上限1000万円を補助」といったものがあります。

そのほかにも、固定資産税や不動産所得税の優遇措置といった税制面でのメリットもあるので、よく確認しておきましょう。

ただし、国が施策として「施設から住宅へ」という方針を打ち出しているため、有料老人ホームについてはこれらの補助の対象外となっています。

開業する際は「どのような種類の施設を建てるのか」を補助金の有無も踏まえて検討する必要があるでしょう。

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寄宿舎タイプにする方法も

有料老人ホームの建設コストを抑えるには「可能な限り共用部分を増やす」という方法もあります。

例えばトイレや洗面、浴室といった水回りについては共同で使用してもらうことが可能です。

水回りはそれぞれに配管の設置が必要になるので、1戸ずつ設置するとコストの増加につながります。

寄宿舎タイプの老人ホームであれば、共同で使用してもらうことで費用対効果を上げることができるのです。

ただし、サービス付き高齢者向け住宅の場合は各戸にトイレや洗面の設置が必須となっており、こうした方法は利用できないので注意してください。

寄宿舎タイプにおけるその他のメリットとは

トイレや洗面などの水回りを共同にすることは、建設コストを下げるといった経営者側のメリットだけではありません。

食事や入浴といった行為を他の生活者と一緒に行う機会が増えるので、高齢者同士のコミュニケーション向上に役立ちます。

高齢者同士のつながりができることによって、生活の質の向上が期待できるといった利用者側のメリットもあるのです。

なかには「プライバシーをできるだけ守りたい」と思って、こうした共同設備を嫌う人もいますが、その気持ちは人によってまちまちです。

かえって「共同設備の方が良い」という人もいますので、開業にあたってはよく調査し開業資金との兼ね合いも含めて検討すると良いでしょう。

まとめ

有料老人ホームの開業資金に占める物件取得費の割合はとても大きいものです。

ある程度の規模の施設を建設するのであれば、数億円単位の資金が必要となりますので、資金調達には万全を期してください。

また、建設コストを減らす方法としては、大きく分けて「補助金・助成金を使う」「共同部分を増やす」といったものがあります。

どちらも高齢者施設の種類やコンセプトによって利用できないケースもありますので、開業前に「どのような種類の高齢者施設を建設するのか」についてよく検討することが大切だといえるでしょう。

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