独立開業を考える方の中でも自分でカフェを開業したいとお考えの方もおられるでしょう。しかし起業や経営の経験もないなかで、ゼロから何事もやっていかなければならないのは大変です。とくにカフェなどの飲食店の場合は「待ち」の営業になるため、ほかの業種よりも立地の選び方は非常に重要になってきます。またカフェの立地選びにおいてはどんなお店にするのか、お店のターゲットになるお客さんはどういった人たちか、そのお客さんが集まる場所はどこなのか、といったお店のコンセプトを十分考えなければなりません。せっかくの独立開業でスタートからつまずかないように、カフェの立地選びや物件の選び方についての最低限のポイントをおさえておきましょう。

1.出店地域を選びは競合店の調査も平行して行う
2.物件を探すにはコツが必要
3.物件選びのポイントその1「入りやすい」
4.物件選びのポイントその2「利益が出る」
まとめ

1.出店地域を選びは競合店の調査も平行して行う!

まずは自分の土地勘のある地域から出店エリアをしぼっていきましょう。土地勘があればその地域の特性や人の流れについてある程度予測がつきますし、地元や愛着のある土地だとカフェに来てくださるお客様や周辺の企業や商店とのコミュニケーションも円滑になります。お店は開店すると動かせませんから、開店した地域に溶け込むことは商売上とても重要です。エリアが決まれば次にすべきことは競合店の調査です。これは徹底的にやる必要があります。選択したエリアにカフェがどれくらい存在するのかを調査していきます。競合店があまりにたくさんある場合は激戦区だということがすぐわかりますが、注意するべきは競合店が全くない、あるいはほとんどないという場合です。その場合は全くカフェの需要がないエリアだということが多いです。たとえば場所によって居酒屋はたくさんあるけれどもラーメン屋には全く人が入らないという地域も存在します。その場合その地域はラーメン屋の需要のないエリアだということがわかります。こういったことは土地勘による予測だけでは判断がつきにくいので事前に調べておく必要があります。出店に1番オススメなエリアは、カフェが点在していてどこもそれなりに集客ができているエリアです。カフェがあっても集客に苦労している場合は、今からその場所に出店するのは危険です。新しい道路や施設などができて人の流れが変わり、以前より集客ができなくなってきている可能性があるからです。お目当てのエリアの競合店に実際に出向き、お客様がどれくらい来ているのか確認しておき、さらにそこからだいたいの売り上げを予測しておきましょう。

2.物件を探すにはコツが必要!

立地が決まれば次に物件選びです。多くの場合は不動産会社を回ることになりますが、残念なことに本当に優良な物件は不動産情報としてあまり表には出てきません。本当に優良な物件は不動産会社の管理物件として表に登録される前に紹介によって借主が決まってしまうケースが少ないのです。新規参入者が良い物件と巡り会うのはなかなか難しいものですが、いくつかその方法もあります。まず1つめは不動産会社へ粘り強く通う、という方法。独立開業への情熱をアピールして不動産会社と仲良くなって良い物件を紹介してもらおう、といいたいところですが、重要なのは大家さんの情報を掴むことです。大家さんは空き物件が出た場合、一刻も早く次の借主を見つけたいのですが、その情報がまだ表に出ていない場合があります。そんな時に新たに借主になってくれそうな人だと不動産会社が判断してくれれば、物件を紹介してくれる可能性があるわけです。もう1つの方法は地元の商工会、商工会議所に入る、あるいは相談してみるという方法。商工会には地域の小店舗の情報が集まっており、常駐の経営指導員は地元の企業情報や物件情報に精通しています。また経営相談や創業融資の案内など、経営に不可欠な情報を提供しているので地元との繋がりを作る意味でもお世話になっておいた方がいいでしょう。

3.物件選びのポイントその1「入りやすい」

物件の候補が決まったならば次にその物件の周辺の人の流れを調査します。まず物件の入るテナントの入り口近辺の交通量、そしてターゲットになるお客様の層がどの程度いるかを調べます。その際には曜日別、時間帯別にデータをしっかりとりましょう。こういう地道な調査を怠って開業してしまう方が後を絶ちません。そして物件の近くを通ったお客様が自分の店を見つけやすいかどうか、変な導線になっていないかどうか確認します。たとえばせっかく交通量の多いテナントビルに入っていても、地下の奥の方や階上の見つけにくいところに物件があると、お客様が入りにくい店になってしまいます。路面店でない場合は店への導線だけでなく、看板を出す位置を考えなければなりません。その場合人通りの多い通りからちゃんと見える位置に看板を出せるかを確認しておきましょう。次にあなたの店に来たお客様が店に入りやすいかを確かめます。入口はできるだけ開放的になっていなければいけませんし、周りの状況を含めて入店しやすい雰囲気かどうかが重要です。入口に面する部分が極端に人通りのない場合は考えものですし、駐車場を設ける場合は車の入りやすさや駐車のしやすさなども物件選びのポイントになります。

4.物件選びのポイントその2「利益が出る」

次にその物件にかかる費用を考えます。良い物件が見つかってもお店のコンセプトに合わせるために多額の内装工事費が必要になる場合もあります。おすすめは居抜き物件ですが、水回りやガスの配管が老朽化していたり、配置が悪かったりすると改装工事費が予想以上にかかる場合があります。またコンビニの空き物件などは比較的立地のいい場所にありますが、カフェなどの飲食店に必要な厨房の吸排気や排水設備を作らなければならないのと、スケルトン部分の改装工事を必要とするので、専門の内装業者に立ち会ってもらって実際の見積もりを出してもらった方が良いでしょう。次に店のコンセプトや規模に合った「広さ」と「家賃」の物件を選ばなければなりません。席数の目安は都会と地方で若干異なりますが、およそ1坪当たり1.5席が目安とされていて、カフェの場合は10~20坪ほどの広さが初めての出店としては適正ではないでしょうか。そして競合店を調査した時に予測したおおよその売り上げ予測から、適正な家賃を割り出します。ここでようやく大家さんとの交渉です。物件を借りるときは賃貸借契約の条件についてしっかり確認してください。賃貸契約書がない場合もあるようですがもってのほかです。専門家に頼んでもそれほどの金額にはなりませんから、しっかり賃貸契約書を作っておきましょう。賃貸借契約については不利な条件はないか、特に退去時の費用や敷金(保証金)について注意が必要です。保証金が大家さんによって目減りしてしまう「保証金の償却」という項目が入っていたら、それを外してもらえないかどうか交渉してみてください。さらにその物件が「定期建物賃貸借契約」でないか確認しましょう。この契約だと途中解約や家賃の値引き交渉ができないなど、借り手には不利な条件が多いのでメリットは少なくなります。

まとめ

このようにカフェの独立開業では、適切な立地や物件の選定がビジネスの展開においてもとても重要ですので、大事なところは労をいとわずに慎重に準備していく必要があります。実際に開店してみて発見することも多く、毎日が試行と改善の連続となるでしょう。それでもカフェの経営はコンセプトや集客に成功すれば個人店でも大手に対抗できる可能性が高く、人気店となれば行動したことがすぐに結果に結びつきやすい業種です。カフェの独立開業に前向きに取り組もうとされている方は、最初の物件選びの段階から行動力を発揮してビジネスの成功へとつなげていきましょう。”