カフェを独立開業したい!と思っても、実際にはコンセプトの決定から、立地の確保、宣伝、従業員の募集までやらなくてはならないことは多々あります。開業までの準備期間として平均1年はかかるといっても過言ではありません。なかでも複雑で大変なのが、手続き関係。カフェを開くと一言でいっても、保健所、警察署、税務署、消防署とあらゆる施設に届出をしなくてはなりません。今回はカフェを開業する人のために、必要な手続きをまとめました。

1.飲食店ならまずは保健所!?何を届け出るの
2.警察署にも届出が必要
3.経営を続けるために必要!税務署への届出
4.消防署にも届出!店舗の維持に必要
まとめ

1.飲食店ならまずは保健所!?何を届け出るの?

カフェでは食べ物や飲み物を提供することになりますが、これは許可なしには勝手に行えません。そこで必要となるのが、保健所に提出する「食品営業許可申請書」です。食品の販売や製造を行う際に必要な許可で、これがないと法律に触れてしまいます。この申請書に加えて営業設備の大要・平面図、営業施設までの案内図、食品衛生責任者と資格を証明するもの、そして手数料などが必要となります。どのような場所で営業を行うのか、どのような間取りなのかなどを明らかにしなくてはならないのです。またこれに関連して「食品衛生責任者」の資格を前もって取得しておかなくてはなりません。こちらは1日の講座を受講すれば、簡単に取得することができます。店舗を運営する上で必ず1人は食品衛生の管理を行わなくてはならないため、申請が必要となるのです。他にも水道水を直接利用しない場合に限り水質検査成績書や、個人ではなく法人で申請をする場合には登記簿謄本が必要となります。これらの書類に不備がないと判断されたら、次に店舗の「衛生検査」が行われます。この検査では、店舗設備についていくつかの項目がチェックされます。十分な洗浄設備と従業員専用の手洗設備があること、冷凍庫・冷蔵庫には温度計があること、清掃道具が使いやすく安全な場所に保管されていること、換気能力が十分であることなど細かい点までチェックされるので、新店の際には特に注意が必要です。この衛生検査がクリアできなければ、当然出店をすることができません。オープン日を事前に決めていても、この検査で引っかかり日程がズレるといったことも考えられるので、スケジュールには余裕を持つことをおすすめします。この後、食品営業に関する講習が実施され、最終的に「営業許可証」が交付されます。この営業許可証は原則として1年ごとに更新することになっており、その都度短い講習を受けることもあります。特に食品衛生に関しては、頻繁に法律が変わるという側面があるので、常にアンテナを張っておきましょう。

2.警察署にも届出が必要!?

カフェを開業する際に警察署に届出が必要なのは、深夜12時以降にアルコール類の提供がある場合のみです。その場合には「深夜酒類提供飲食店営業開始届書」の提出が義務付けられています。昼間はカフェで夜はバーのような店舗を考えている場合は注意が必要です。店舗内の図面や、照明・音響設備がある場合にはその図面、営業許可書の写しなどの提出が求められるので、届け出る際には事前に調べて必要な書類を準備していきましょう。ちなみに、ラーメン屋やファミレスなど深夜まで営業していて、かつアルコール類を出す店舗でも主食をメインとして提供している店舗については対象外とされています。これらの手続きは少し手間がかかるため、バーなどでも深夜を回る前に閉店する店舗も少なくありません。他にも、カフェに電子ダーツやゲーム機などの遊具を設置する場合には「風営法許可申請」が必要となります。この場合は深夜を超えての営業は禁止されています。風営法は風俗営業に関する法律のことで、厳しいルールが定められています。法律に詳しくない個人オーナーだと、知らぬ間に法律に触れていた、なんてことにもなりかねません。ひとつひとつクリアしていくことも大切ですが、分からなければ躊躇せずに行政書士に相談するなどしましょう。

3.経営を続けるために必要!税務署への届出

ここからは金銭面で必要となる届出です。税金にも関係してくるので、少し手間だと思っても必ず提出するようにしましょう。カフェを開業する際には、個人事業主として税務署に届け出る書類がいくつかあります。最も大事なのは「個人事業の開廃業等届」です。これは事業を始めますよ、と税務署にお知らせする書類で、開業から一ヶ月以内であればいつでも提出できます。店舗をオープンする地域の管轄税務署に提出するもので、手数料等は一切かかりません。この開業届と一緒に提出したほうが良いのが、「青色申告承認申請書」。青色申告をご存知でしょうか。所得税を申請する際には、白色申告と青色申告の二種類が選べます。白色申告は、申請する際の書類が比較的容易なもので、その分税金控除額が少ないのが特徴です。対して青色申告は少し複雑な申告方法にはなりますが、その分税金控除額が多く、その他の面でも優遇されているのです。はじめは税金や会計の知識がないと少し難しいかもしれませんが、会計ソフトなど便利なものも多く登場しているいので、メリットの多い青色申告をおすすめします。またこの青色申告承認申請書は、開業届と同時に提出しなくても後で変更は可能ですが、提出を忘れてしまうと一年間は白色申告になってしまうので注意が必要です。また、従業員を雇う場合には「給与支払事務所開設届出書」が必要となります。これはその店舗では従業員に給与を支払っています、ということを示す書類です。ちなみに従業員を雇う場合には税務署の他にも、社会保険事務所やハローワーク、労働基準監督署にも特定の書類の提出が必要です。少し複雑ではありますが、あらかじめ調べておき、必要な書類をひとつひとつクリアしていきましょう。

4.消防署にも届出!店舗の維持に必要!

カフェの開業にあたって、保健所と同様に重要なのが消防署への届出です。というのも、保健所に提出する「食品衛生責任者の登録」と同じように、「防火管理者選出届」の提出が必要になるからです。防火管理者とは、火元の安全を管理する立場の職務で、収容人数が30人を超える店舗の場合、必ず1人は選出しなくてはなりません。店舗の規模に応じて甲種と乙種、二種類の資格がありますが、どちらにしても1~2日の講習で取得ができるので、あらかじめ取っておくことをおすすめします。防火管理者選任届と一緒に、避難経路などを示した消防計画を提出する必要があります。他にも、火を使用する設備を設置する場合には「火を使用する設備等の設置届」を設置前までに提出しなくてはなりませんし、工事などの計画があるときには「防火対象設備使用開始届」が必要となります。提出する書類などは、地区の条例や法律等によって変わることがあります。開業の際に今一度必ずチェックをして、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

まとめ

このようにカフェの開業とはいえ、その手続きはたくさんあります。一つひとつ済ませていくことが、不安なくカフェを開く第一歩といえるでしょう。独立開業は人生の中でも大きな決断。手続きはいわば土台のようなものです。この土台を焦ってないがしろにしてしまうと、後々苦労することにもなります。せっかく開くのだから、しっかりとした土台の上でやりたいことをやるのが一番です。手続きを全てクリアして、胸を張ってカフェを開業しましょう。”